2021年3月17日最終更新
リーマンショックをご存知だろう。
「Lehman Brothers Holdings Inc.」が倒産したことがニュースになった経済危機だ。
リーマンブラザイズは、2008年9月15日に経営破綻した。
負債総額は6,130億ドル(当時の日本円で約64兆5,000億円)と米国史上最大である!!
世界的には、Global Financial Crisis〜世界金融危機〜と呼ばれ、日本では当時有名で潰れるはずのない投資銀行リーマン・ブラザーズの倒産が有名であり、リーマンショックと呼ぶ。

僕は当時大学生で、リーマン?サラリーマン?的な感じで何も知識がなくなんとなく悪いことが海外で起こったのかなくらいに思ってた。
マネーショート
株価の大幅下落
リーマン・ブラザーズの倒産した、2008年9月〜10月の間にアメリカ株は30%〜40%の下落があった。
5兆ドルもの年金と、不動産価値、401K、貯金、債券が瞬く間に消失したのだ。
800万人が失業し、失業率は、10%まで上がった。10人に1人が無職となった。
そして、600万人が家を失った。

なぜ家なのか?それは、サブプライムローンが関係している。
世界の経済の中心であるアメリカの失速により、影響は各国に広がっていった。
もちろん日本もだ。日本は経済成長率はマイナス5.4%(2009年)となった。アメリカは、マイナス2.5%に止まることができた。
内定取り消しや派遣切りが流行り出したのもこの頃である。
サブプライムローン
リーマンショックの原因は、住宅バブルである。
難解な商品(サブプライム・モーゲージ債券)を利用したローンの証券化のことであるが、

ここからは僕の個人的見解でごく簡単に説明したいと思う。
サブプライム=優先順位の低い人(低所得者)向けローンということだけ最初に覚えて欲しい。
僕が、銀行の住宅ローン担当者になったとする。

住宅ローンを組んでもらって、高成績を残して出世するぞ!!
お金持ちがやってきて、住宅ローンを組みたいと言ってきた。銀行口座にはたんまり預金があり、腕にはロレックスをつけ、どうやらレクサスに乗ってやってきたようだ。

この人なら返せなくなることはないんじゃないか?融資しまーす!!
このように、信用できる相手、返済能力のある相手にだけ僕は住宅ローンを組ませる。だって、払えませんでしたって言われたら、困るからね。
そして、住宅ローンを組める(信用出来る)人がどんどん減っていき、銀行はローンの利息収入が頭打ちして、売上に貢献できなくなってきた。上司からもっと住宅ローンを通せと言われ出した。

次は、そこそこ信用出来る人も住宅ローンを通そう!!もちろん、金利(利息)は少し高めでね!!
僕は、また銀行にとって大きな収入を手に入れた。
しばらくすると、またもや、上司に売上を出せと言われ出した。こうなると住宅ローンを組んでくれる人をさらに見つけるしかないとあなたは考えるが、もう貸せそうな人はいない。
悩み抜いた僕は、素晴らしいアイデアを思いつきます。

「住宅ローンの家を買うお金を銀行じゃない誰かに出してもらおう!!そして、銀行は仲介手数料をもらおう!!」
日雇いの人、無職の人、家が買いたい人みんなに住宅ローンを組ませた。ただし、お金は投資家のみんなに払ってもらった。

銀行は、ローン商品を仲介するだけでどんどん儲かった。
100人分の住宅ローンをまとめて、20人が払えなくなっても大丈夫な金利にして、、、
これをパッケージ化した商品を「ゴミクズ債券」と呼ぼう。

仲介するだけでなく、ゴミクズ債券に保険をかけれるように「ゴミクズ保険」も作ろう!!
次は、ゴミクズ債券の値上がりするかどうか当てる「ハイアンドロー商品」も売ろう!!
そして、他の銀行や証券もどんどん同じようなことをしていき、住宅バブルが起きていった。

無職の人も、職業欄を空欄にして書類出してくれたら、住宅ローン通るよー!!

どう?2軒目の住宅買わない?収入の記入欄空欄にしてくれたら、あとはやっとくよ!!
これ日本でもあったかぼちゃの馬車・スルガ銀行の不正に似ている。
ゴミクズ商品が人気になってきたし、投資家の魅力的なリターンにするために、住宅ローンの金利はもっと上げよう!!
どんどん僕は、危ない橋を渡って、なんとか上司の満足する成績をあげ続けた。
商品を格付けしてくれる会社に、高ランクの商品だと説明して、表向きの信頼も得ていた。
住宅価格が上がっているから、最悪家を売っても大丈夫だな。

住宅ローンが払えない人が増えてきた。夜逃げに、差し押さえ、、、どんどん実体経済がおかしくなっている。
そして、2008年、ゴミクズ商品はゴミクズ以下になっていた。
それに気づいた人たち、突如我に返った人たちが一斉にゴミ以下商品を手放したのだ。なんとか、銀行や投資会社は平然を装って対応したが、一度流れ出した勢いは止まらなかった。
そうして、僕の銀行は倒産した。
以上。これがサブプライムローンとリーマンショックの流れである。
サブプライムローンの教訓
利益を欲しがった人達の知恵がますます加速し、悪知恵へと変わった。
住宅バブルは、終焉があることは誰もがわかっていたが、それを信じようとしなかった。
様々な要因で経済は回る。
僕は、投資家としては素人同然なのでバブルの終焉を事前に知ることは出来ないだろう。
なので、投資では様々な地域・企業に分散投資している。
リーマンショックに気付けたら、どれだけ面白いだろうか。気づいた人々はいたようだ。
そして、リーマンショックから気付かされた教訓は3つである。
1. 投資商品が何かわからず購入してはいけない。
投資するお金はあなたが必死に働いて稼いだものだ。何も考えずにオススメ商品を購入してはいけない。しっかり、目論見書や経済指数、売買コストなど考慮しよう。しっかり把握して購入した商品であるならば、多少の値下がりがあってもあなたはすぐに狼狽して売ることはないだろう。
2. 銀行や投資会社は常に自身の利益を考えている。
ゴミクズ商品を良い商品だと銀行員や投資家、ブログ発信者、Youtuberは言うこともある。手数料や利益が相手に入るようになっているからだ。よくない商品を綺麗に見せて販売する手法は今も続いている。決して、カモにされてはいけない。
3. 住宅ローンを組むのは人生の一大イベント
生涯で一番大きな買い物が不動産だろう。自分の返済能力、住宅価格、将来ビジョンをしっかりたててから、納得いく住宅ローンを組もう!!今なら、低金利だから買おうとか、限度額いっぱいまでの家に住みたいとかで買ってはいけない。10万円するiPhoneは悩むのに、住宅購入は悩まないなんて馬鹿げている。一番、ケチって、値引き交渉するべきものなのだ。
リーマンショックを舞台にした作品
リーマンショックを予期できた人がいた。そして、それは本になっており、映画化もされている。
内容は難しく、専門用語が多く出てくる。しかし、リーマンショックを予想していた人たちが主人公なので、大逆転劇がワクワクする。
最後には、リーマンショックが起こる方に賭けていた正しさが大儲けで表現される。
金融用語が分かる方はぜひ観て欲しい。僕は、Amazon videoで視聴した。
原作は、世紀の空売り〜The Big Short〜マイケル・ルイス著である。

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